星空写真の入門として、誰もが通る月は地球に最も近い天体です。
皆様は、どんな月を撮影したいですか?
月は、望遠鏡や望遠レンズがあればクレーターまで写すことができます。
ここではビギナー向けに迷った時の各種設定を紹介します。
月を見る日時と撮影場所を決める
月齢カレンダー
月の形や方角、高さは季節や時間帯によって変わります。
まずは月齢カレンダーで撮影したい月がいつ見ることができるか調べましょう。
撮影場所
月は明るい天体なので、月が出ている時間なら自宅のベランダでも気軽に撮影することができます。
天の川と違い、雲さえかかっていなければ都市部でも田舎でも見え方は、ほぼ同じです。
月の撮影に必要なものを準備する
三脚
満月の撮影で、特にアップで撮影しない場合は、手持ちでも撮影可能です。
しかし、月は明るく、比較的ブレにくい被写体ですが、撮りたい月の状態によって長時間シャッターを開ける必要がありますので三脚でカメラを固定して撮影する方が良いでしょう。
レリーズ・リモコン
三脚にカメラを固定しても、シャッターボタンを押したときのわずかな振動でブレが発生することがあります。
カメラに触れずにシャッターが切れるレリーズやリモコンを使うことでシャッターを押し込んだ際の振動によるブレを防ぐことができます。
レリーズやリモコンが無い場合は、セルフタイマーに設定することで代用もできます。
管理人はセルフタイマー2秒をよく使います。※手持ち撮影の場合は、必要ありません。
レンズ
標準レンズ(50㎜前後)でも月の撮影はできますが、月が小さく写ります。
大きく撮影したい時やクレーターを撮影したい場合は、望遠レンズ(70~300㎜)や超望遠レンズ(400㎜以上)や望遠鏡を使用する必要があります。
どんな構図で月を撮影したいかによって使用するレンズも変わってきます。
月の撮影のカメラ設定を変更する
撮影モード
月はオートフォーカスでは基本的にうまく撮影できません。
被写体に合わせて各機能を設定するため、カメラまかせのオートモードではなく、「マニュアルモード」を使用します。
手ブレ補正機能
手ブレ補正機能が搭載しているレンズで撮影する際、日中の手持ち撮影では、手ブレしないようにONに設定していることが多いと思いますが、星空撮影では三脚を使用するため、手ブレは起きません。
そのため、ONに設定していると、まれに誤作動が起き、ぶれてしまうことがあります。
またバッテリーの消費を防ぐためにもOFFにしておきましょう。
※ここでは三脚使用時の設定ですので、手持ち撮影の場合は、ONで問題ありません。
絞り値(F値)
月は明るい被写体なので、必要以上に絞りを開放する必要はありません。
むしろ絞った方が画質が向上しますので、ここではf8に設定します。
シャッタースピード
月の状態 | シャッタースピード |
満 月 | 1/250 |
半 月 | 1/125 |
三日月 | 1/15 |
満 月 ※手持ち撮影 | 1/800 |
月の状態は、日によって変わりますので、上記を目安にいろいろ撮影しながら調整しましょう。
ISO感度
満月の場合は明るいのでISO感度を高感度にする必要はありません。
撮影後、トリミングして月を大きくしたい場合は、低感度なISO設定がおすすめです。
そのため、ISO100に設定します。
※三脚を使用しない手持ち撮影の場合は、ISO400を目安に設定しましょう。
その時はシャッタースピードを速くすることでブレを軽減できます。
ホワイトバランス
設定 | 白の見え方 |
太陽光 | 見た目に近い色 |
曇り空・日陰 | 黄色を強調 |
白熱電球 | 青色を強調 |
蛍光灯 | 白色を強調 |
ホワイトバランスで月の色の白色の表現の仕方を変えることができます。
こちらは好みで選択しましょう!
RAWで撮影した場合は、後で変えることもできますので、迷った時はRAWで撮影しましょう。
ピント
月は、AF(オートフォーカス)がうまく機能しません。
MF(マニュアルフォーカス)とは、カメラに任せずに手動でピントを合わせる機能です。
月は、少しのピンボケやブレでも写真に出てしまいます。
このピント合わせが月の撮影の一番のポイントです。
まずライブビューにしてピントを合わせます。
この時、月を可能な限り拡大して画面に映すようにします。
あとは、画面の月が一番小さくなるようにピントリングを回します。