F値(絞り値)・シャッタースピード・ISOを簡単理解

夜空の星をカメラのオートモードで撮影したら写真がイメージと違って困ったことはありませんか?昼間や明るい屋内ではカメラまかせのオートモードでもキレイな写真が撮れますが、星は、オートモードでは星にピントが合わず、なかなか自分の思うように写真が撮れないものです。

ここでは、「絞り・シャッタースピード・ISO」は聞いたことあるけど意味がよくわからないという人向けに簡単に説明します。Fotoblog Hamburgが公開しているf値、シャッタースピード、ISO感度の画像がとても分かりやすいので、画像を見ながらカメラの基本性能について説明します。

絞り・F値の意味を知る

絞りとは

レンズから入る光の量を調整する部分を「絞り」といいます。レンズの中に備わっていて、絞りの大きさ(穴の大きさ)を変えることでカメラに取り込む光の量を調整します。

F値(絞り値)

絞りの大きさの違いからくる、カメラに取り込む光の量を数値化したものをF値(絞り値)といいます。F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11、F16、F22のように基準となる値が決まっており、F値を変えることで被写界深度(被写体前後のピントが合う範囲、奥行方向の情報の正確さ)が変わります。

F値の最小値はレンズごとに決まっています。F値の小さいレンズは、一般的に『明るいレンズ』と呼ばれ、星空写真をする人にとってレンズを選ぶ際の重要なポイントになります。

F値(絞り値)が大きいと

例)F22
1.F値(絞り値)が大きいと絞りが絞られるので(絞りが閉じられて、絞りが小さくなり)
2.レンズを通る光の量が少なくなるため
3.ピントの合う範囲が広くなり、写真の解像度が増します(被写界深度が深い)

F値(絞り値)は、大きくすれば、大きくするほど(絞りを絞るほど・絞りを閉じるほど・絞りを小さくするほど)全体にピントが合った状態になってきます。

「F値(絞り値)を大きくすること」を「絞りを閉じる」等と表現しますが、F値(絞り値)の数値が大きくなるにも関わらず、「閉じる」といった値が小さくなる表現を使う所がビギナーには少し分かりづらいですね。

F値(絞り値)が小さいと

例)F1.4
1.F値(絞り値)が小さいと絞りが開き(絞りが大きくなり)
2.レンズを通る光の量は多くなるため
3.ピントの合う範囲が狭くなり、被写体を際立たせることができます。(被写界深度が浅い=背景のボケが強い)

F値は、小さくすれば、小さくするほど(絞りを開けるほど)大きくボケた状態になってきます。

「F値(絞り値)を小さくすること」を「絞りを開く」「開放値にする」などと表現しますが、F値(絞り値)の数値が小さくなるにも関わらず、「開く」「開放値にする」といった値が大きくなる表現を使う所がビギナーには少し分かりづらいですね。

シャッタースピードの意味を知る

シャッタースピードとは

イメージセンサーの前にあるシャッターが開いている時間がシャッタースピードです。
シャッターが開いている間、イメージセンサーに光が当たり、その光をもとに画像が作られます。
シャッタースピードが長ければ長いほど、センサーに入る光は多くなります。

シャッタースピードが早いと

例)1/1000
1.光の入る時間が短くなる
2.手持ち撮影でもブレにくい

シャッタースピードが遅いと

例)1/4
1.光の入る時間が長くなる
2.手持ち撮影だとブレやすい

スポーツの撮影など動く被写体を止めて写したい場合は、なるべくシャッタースピードを速く設定します。被写体の素早い動きによるブレを防ぐことができます。

逆に、水の流れや花火の光の軌跡を写したい時など躍動感を写真に写したい時はシャッタースピードを遅く設定します(この時、三脚必須です)。

星空撮影の場合は、今回の図にはありませんが、センサーに当てる光の量を増やすために10秒以上かけることも珍しくありません。天の川の撮影などは20秒前後のシャッタースピードになったりもします。

F値(絞り値)とシャッタースピードの関係

F値とシャッタースピードの組み合わせで写真の露出は変わります。F値を大きくすればそれだけ写真は暗くなりますが、その分だけシャッタースピードを遅くすることで、適正露出にすることができます。

逆に、F値を小さくしてシャッタースピードを速くしても適正露出にすることができます。
つまり、適正露出になるF値とシャッタースピードの組み合わせは複数あることになります。

例えば、F5.6 1/125で適正露出の被写体の場合、以下の組み合わせは全て同じ露出になります。

F値シャッタースピード
F161/15
F111/30
F81/60
F5.61/125
F41/250
F2.81/500
F21/1000
F1.41/2000

上記の通り、F値を調整したときは、その分だけシャッタースピードを調整することで、どの組み合わせでも適正露出の写真となります。

しかし、F値を変えれば、被写界深度が変わり、シャッタースピードを変えれば、動いている被写体のブレ具合が変わります。
そのためF値を調整したり、シャッタースピードを調整したりすることで、自分の撮りたいイメージを形にします。

ISO感度の意味を知る

ISO感度とは

ISOとは、レンズから入ってくる光の量に対して、どれくらい敏感に反応するか(カメラ内でどのくらい増幅させるか)の指標です。

例)ISO 100、ISO 200、ISO 400、ISO 800、ISO 1600、ISO 3200、ISO 6400…と増幅具合を数字で表しています。

カメラ内に入ってくる光の量は、絞りとシャッタースピードで決まり、その光の量から適切な明るさの画像になるように光を増幅させます。

ISO感度を低いと

例)ISO 100
1.光を感じる度合いが低くなる
2.ノイズ(ざらつき)が少なく高画質

ISO感度を高いと

例)ISO 25600
1.光を感じる度合いが高くなる
2.ノイズ(ざらつき)が多くなる。

例えば、ISO 200とはISO 100の2倍感度が高いことを示し、ISO 100の時に比べて光の量が半分の場所でも同じ明るさで写真を撮ることができます。

ISO感度が上がれば上がるほど、光の量が少ない場所でもシャッタースピードを速くすることができますので、暗い場所での手ブレや、動く被写体のブレを軽減することができます。

しかし、光を電気的に増幅させるため、写真のノイズ(ざらつき)が増え、シャープさが失われたりして仕上がり写真の画質が低下する傾向があります。

星空撮影の場合、淡い星の光を写真に収めるために、ISO感度を上げて撮影することが多いです。

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