月食が起きる仕組み

月食とは

出典:国立天文台

月食とは、地球の影の中を月が通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりすることをいいます。

月食の種類

出典:国立天文台

月食は、月の隠され方によって、2種類に分類されます。

地球の影には「本影(太陽光がほぼさえぎられた濃い影)」と「半影(本影を取り囲む薄い影)」の2種類があり、月がどちらの影に入り込むかによって、月食の呼び方が変わります。

月食の種類月の見え方
半影食月の一部または全部が半影だけに入った状態。半影は薄い影なので、目で見ただけでは月が欠けているかどうか、はっきりとはわかりません。
本影食月の一部または全部が本影に入った状態。一般的に「月食」というと、「本影食」のことを指します。本影は濃い影なので、月がはっきりと欠けたように見えます。月の一部だけが本影に入り込む現象が「部分食」、月の全てが本影に入り込む現象が「皆既食」

出典:国立天文台

皆既食中の月が赤く見える理由

出典:国立天文台

皆既食中には、月が本影の中に完全に入り込みます。

しかし、皆既食中の月は真っ暗になって見えなくなるわけではなく、赤黒い色に見えます

太陽光が大気の中を通過する際、波長の短い青い光は空気の分子によって散乱され、大気をほとんど通過することができません。

一方、波長の長い赤い光は散乱されにくく、光は弱められながらも大気を通過することができます。

また、大気がレンズのような役割を果たし、太陽光が屈折されて本影の内側に入り込みます。

このかすかな赤い光が皆既食中の月面を照らし、月が赤黒く見えるのです。

皆既食中の月の色はいつも同じではありません。

大気中にチリが少ないと大気を通り抜ける光の量が多くなり明るいオレンジ色に、逆にチリが多いと大気を通り抜ける光の量が少なくなり、黒っぽく見えます。

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