天の川は、星空写真のビギナーからベテランまで人気のある被写体です。
肉眼では薄い雲のように見えますが、その正体が星の集まりであることをあの有名なガリレオ・ガリレイが発見しました。
ここではビギナー向けに天の川の探し方と撮影の際のカメラの各種設定を紹介します。
天の川を見るベストな時期、時間帯、場所
夏
一般的に天の川と言えば夏を連想しますが、実は夏だけではなく一年中、天の川を見ることができます。
しかし、7、8月が1番キレイに見えると言われてます。この時期は19時くらいに太陽が沈むため、20時頃~23時頃が最適な観測・撮影時間です。天の川が夏のイメージが強いのは、他の季節よりキレイに見れるからです。
月明かりの影響が少ない日・時間帯
月明かりも写真への影響があります。事前に月齢カレンダーでその日の月の状態を確認し、「月明かりの影響が少ない日や時間帯」を選ぶと良いでしょう。「新月」が最も良い条件となります。新月とは、月が太陽と地球の間にあって、地球からは見えなくなってしまう状態をいいます。
暗くて高い場所
天の川の写真を撮影する上で大切なことは、星空が見える夜空の「暗い場所」で撮影することです。撮影する方向に大都市などの光源が強い場合、それが写真に写り込み、星が上手く写らないなど写真への影響があります。なるべく光源が無く、視界が開けた場所が撮影には向いてます。さらに標高の高い場所の方が空気が澄んで星が綺麗に見えます。
天の川の探し方
南の空・夏の大三角の中
北東から南へ円を描くように見える白いすじが天の川です。
季節によって異なりますが、東から昇り、南の方角へと移動します。天の川は、東の空で大きな光を放つ夏の大三角(こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル)の中に見えます。
南側の方が星雲がはっきりしてるため、撮影する時は、南の空がオススメです。また雲のない、晴れた日の夜が観測・撮影には良いです。
天の川の撮影に必要なものを準備する
広角レンズ
標準レンズでも撮影はできますが、天の川を広く撮影したい場合は「広角レンズ」がオススメです。どんな構図で天の川を撮影したいかによって使用するレンズも変わってきます。F1.4~2.8など「F値が明るいレンズ」が良いです。
三脚
天の川の撮影は、シャッターを長時間にわたり開ける必要があるため、「三脚」は必須です。
三脚でカメラをしっかり固定して撮影をします。
レリーズ、リモコン
三脚にカメラを据えても、シャッターボタンを押したときのわずかな振動でブレが発生することがあります。
カメラに触れずにシャッターが切れるレリーズやリモコンを使うことでシャッターを押し込んだ際の振動によるブレを防ぐことができます。
レリーズやリモコンが無い場合はセルフタイマーに設定することで代用もできます。ちなみに管理人はセルフタイマー2秒をよく使います。
天の川の撮影のカメラ設定を変更する
撮影モード
星はオートフォーカスでは基本的にうまく撮影できません。被写体に合わせて各機能を設定するため、カメラまかせのオートモードではなく、「マニュアルモード」を使用します。
手ブレ補正機能
手ブレ補正機能が搭載しているレンズで撮影する際、日中の手持ち撮影では、手ブレしないようにONに設定していることが多いと思いますが、星空撮影では三脚を使用するため、手ブレは起きません。そのため、ONに設定していると、まれに誤作動が起き、ぶれてしまうことがあります。またバッテリーの消費を防ぐためにも手ブレ補正機能はOFFにしておきましょう。
絞り値(F値)
F値は、f3.5以下(絞りをなるべく開くこと、大きくする)でより多くの星の光をカメラに取り込むことができ、星が写りやすくなります。
シャッタースピード
シャッタースピードは、時間を延ばすほど星が流れて線状に写りますので20秒くらいを目安に何枚か撮影して調整します。
「レンズの焦点距離によって星を点で写せるシャッタースピードも変わってきます」ので、もう少し詳しく知りたい人はこちらの記事も参考に紹介します。
ISO感度
ISOは、数値が高いほど感度が良くなり明るく写りますが、その分ノイズが出てしまいます。ISO3200を目安に何枚か撮影しながら「夜空の暗さに応じて調整」すると良いでしょう。
ホワイトバランス
設定 | 白の見え方 |
太陽光 | 見た目に近い色 |
曇り空・日陰 | 黄色を強調 |
白熱電球 | 青色を強調 |
蛍光灯 | 白色を強調 |
こちらは好みで選択しましょう!RAWで撮影した場合は、後で変えることもできます!迷った時はRAWで撮影しましょう。
ピント
星空は暗すぎてAF(オートフォーカス)がうまく機能しません。
MF(マニュアルフォーカス)とは、カメラに任せずに手動でピントを合わせる機能です。星空撮影はMF(マニュアルフォーカス)にしましょう。
星は点像のため、少しのピンボケやブレでも写真に出てしまいます。このピント合わせが星空撮影の一番のポイントです。
ライブビューにしてピントを合わせます。この時、星を可能な限り拡大して画面に映すようにします。あとは、画面の星が一番小さくなるようにピントリングを回します。